こんにちは★
育休満喫中看護師のしいなです。
産休に入る前まで手術室で看護師を11年してました。
今日はズバリ!
【手術室看護師が人気がない理由とは?!】について書いていきたいと思います。
- 手術室看護師が人気がないって本当?!
- なぜ人気がないのか??
- 手術室看護師って何してるの?!
- 私が思う手術室看護師で良かった!と思うこと★真面目じゃない編
- 真面目編
- 手術室看護師で残念に思うこと……
- まとめ
この記事は
のお役に立てると思います。
手術室看護師が人気がないって本当?!
最近、お世話になっている会計士さんから
「手術室の看護師さんって人気ないんですか?」
と質問されました(・_・;)!!!
どうやら会計士さんの知り合いの娘さんが今年の3月で看護大学を卒業して、4月から私が働く総合病院に就職するそうなんですが
「配属希望に少しでも手術室のことを書くと、手術室にされてしまう」という都市伝説がある!
らしく
会計士さんとその知り合いの人(娘さんの親御さん)は
「手術室なんて専門的な部署がそんなはずないでしょ?!」
「有能な人しか配属されないでしょ?!」
と
娘さんの話が信じられなかったようで
私の元へこの質問がやってきたわけです。
そして私の答えは
「その通り…人気ないです」
実際に私も内科病棟希望で、面接のときも強くアピールしたつもりだったんですが
第3希望にチョロっと手術室と書いたばっかりに、手術室への配属になりました。
(第3希望まで書かなきゃいけないシステム)
その後も異動希望は叶わないまま、11年の月日が経ち、産休に入りました(T_T)
とんでもない部署じゃないか!!!!!
なぜ人気がないのか??
看護学生さんから人気がない理由
これはもう明白です。
・思ってる看護師像と違う!!!から
看護師に憧れて看護学校に入学する人の中で、手術室看護師をイメージしている人ってほとんどいない。学年に1人いるかいないかレベルだと思います。
やっぱり看護師と言えば
ベッドサイドで患者さんのお世話をしたり点滴をとったり…白衣を着て病棟で働くイメージがあると思います。
・学生時代にほとんど学ばない未知の世界…!だから
実習期間中に手術を受ける患者さんを担当して、手術室を1回経験する程度のカリキュラムの看護学校が多いと思います。
座学でも手術室看護師の役割について学ぶことはほとんどありません☓☓☓
そんな未知の世界に進みたい人なんて滅多にいない、、、
人気がないのも当然です。
ごく稀に
「ドラマの影響」や「親や知り合いが手術室看護師」という理由で
手術室看護師希望の新人さんもいますけどね♪
ちなみに
異動先としても人気がありません(T_T)なんで…?
異動先としても人気がない理由
看護師像と違う、未知の世界
という理由に加えて
・覚えるのが大変そう
・勤務形態が違う
・今までやってきた看護と違い過ぎる
などの理由が挙げられます。
これについて詳しくお話ししていきたいと思います。
・覚えるのが大変そう
手術室看護師は外科系すべての科の手術を担当できるように育てられます。
(海外だと「心臓外科専門ナース」「消化器外科専門ナース」みたいのが存在するようですが)
なので地方の総合病院勤務の私は
消化器外科、血管外科、産婦人科、整形外科、脳外科、泌尿器科、口腔外科、皮膚科、眼科、形成外科、呼吸器外科、心臓外科
の手術すべてを担当していました。
器械出し(メス!はい!の人)だけでも
使う器械も違えば、手術の方法も違う。
もちろん手術室看護師業務はそれだけじゃないです。
そんな訳の分からないことを病棟でプロフェッショナルになった人が1から覚えなきゃいけないなんて抵抗感ありまくりです。
・勤務形態が違う
病棟では日勤や夜勤などの3交代勤務や2交代勤務がメジャーですが
手術室でその形態がとられている病院は少なく、基本的にはお昼の手術をこなしていくために平日日勤の病院が多いです。交代勤務に慣れている人にとっては働きづらい点もあるようです。
・今までやってきた看護と違い過ぎる
患者さんの病室へ行き、血圧測定や採血、点滴、食事・排泄の介助、患者さんとのお話し(からのアセスメント、看護計画)などをプロフェッショナルにこなしてきた看護師にとって
・血圧測定→麻酔器に繋がった血圧計が設定時間通りに定期的に測定して記録していく
・採血→しない
・点滴→医師がやることが多い
・食事の介助→しない
・排泄の介助→ほぼしない。俗に言う“おしっこの管”を入れるのはプロ級
・患者さんとのお話し→全身麻酔が多いとほとんど会話せず終わる
なんだそれ……です。
手術室看護師は一体なにをしてるのよ、、、(T_T)
ここまできてやっと
手術室看護師って何してるの?!
大きく分けると2つ
1、器械出し看護:「メス!はい!」のやつ
2、外回り看護:「汗!はい!」のやつ
どちらかと言えば1の器械出し看護のイメージが強いと思います。
手術を円滑に進めるためには医師が欲しいと思う器械がパパっと!なんなら言われる前から手に持ってスタンバイして、医師に手渡します。
新人の頃、師長さんに言われたのは
「塾年夫婦のようになれると良い」
旦那さんが“テレビ見ようかな”と思ったときにはリモコンを手渡し
“お風呂にでも入ろうか”と思ったときにはタオルやパジャマを用意する
旦那さんの好みや思考も考えて「今日はこれかな」まで予測する
と良い手術室看護師になれるそうです。
なんて献身的な妻にならなきゃいけないんだ!と思いますが
手術室看護師を続きてきて、これは本当にそう思います。これができるかできないか、では大違い!
医師からの評価があがるのももちろんですが
なにより手術時間を短くできること、医師をイライラさせないこと、は手術をスムーズに進めることができるので
患者さんの負担軽減に繋がります。
(手術時間が長引くことは良くないこと尽くし…)
そのためには
手術の流れや、そのとき使う器械、医師の好みを覚えなければいけません。
「メス!」と言われてから“えっと…メスは…”と探していてはいけない
ということです(・_・;)
2の外回り看護
これが全くイメージがつかないと思います。ちなみに汗を拭くことは、ほとんどありません(笑)
主な役割は
患者さんの観察、記録、手術中に必要な物品の準備、出血量のカウントです。
一見、器械出しの方が難しそうに思えますが
私の働いている病院では
なんと外回り看護の方をベテラン看護師が担当します。
外回り看護師は手術を先読みして、必要な物品を準備しなければいけません。
「事前に用意しておけば良いのでは…?」
手術に使う器械や物品はすごくたくさんあるので、事前にすべてを清潔ゾーンに出してしまうと医師も器械出し看護師もゴチャゴチャで大変…!
手術の進行具合を見て判断していきます。
それと同時に
患者さんを観察し、記録をし、出血量やガーゼの枚数をカウントしなければならないので
先読みをして動かないとバタバタで
医師の手を止めてしまう、患者さんの変化や訴えを見落としてしまう……
なんだか大変なところ過ぎて人気がないのも納得、、、(T_T)
良いところないの??
私が思う手術室看護師で良かった!と思うこと★真面目じゃない編
1、貴重な経験ができる
採血がめちゃめちゃ上手な看護師も、脳疾患心疾患に詳しい看護師も、
生きている血管、生きている脳みそ、心臓を見たことがある看護師って
働く看護師が130万人いる中でも、そう多くないと思うんですよね。
「見たことあるからなんだ…」と言われればそれまでなんですけど(T_T)
でもやっぱりそういう経験があるのって良いじゃないですか♪
2、外科系の色んな医師と知り合いになれる
一般的に外科系の医師は病棟にいる時間よりも、手術室または外来にいる時間が長く、特に手術室はオペ日ともなれば、丸一日同じ部屋で過ごすことになります。
色んな科の医師と話す機会があると何が良いって
比較的安易に、相談することができること!!!
私の場合は
【皮膚科Dr.】
しいな「先生ー(´・ε・`)最近お腹から背中にかけて湿疹ができて痛いんです、帯状疱疹ー?!」
【眼科Dr.】
しいな「逆まつげが痛いのにかかりつけの眼科ではオペ適応じゃないって言われた、先生が診てもそうですか?みてみてー」
【産婦人科Dr.】
しいな「逆子が治らないーーー!体操以外にできることあります??」「子宮頸がん検診ひっかかった…どうしよう(´;ω;`)」
【形成外科Dr.】
しいな「帝王切開の傷ってどうすれば綺麗に治ります?」
などなど、思い返せばキリがないくらい相談しまくっていました。
これができるのは手術室看護師の特権!だと思っています★(笑)
3、初対面の人との会話のネタにできる
「手術室で働いています」と言うと大抵良いリアクションをして貰えます。若い人からお年寄りまで、みなさん手術に関して色んなエピソードトークや質問をお持ちで
話を振ってくれるのでネタに困ることがありません。
こちらも真面目な話からしょうもない話まで色々と話せるので、盛り上がります。
そしてなんだか少しだけハナタカダカ!な気分になれます…(笑)
4、立ちっぱなしに強くなれる
手術の内容にもよりますが、午前4時間、午後4時間立ちっぱなし、なんてことはザラにあるし、当直緊急では10時間休憩なし!なんてこともありえます(T_T)
そのおかげでディズニーランドなどの行列○時間待ち!に平気で耐えられるようになっていました。
5、医療系ドラマの手術シーンを変な視点で楽しめる
どの職業でもドラマへのツッコミってありますよね。他の人はなんとも思わないところが目についたり、、、
でも最近の医療系ドラマはしっかり監修されていて、俳優さんたちもたくさん練習してるんだろうなぁーと思うことが多いですね。
以上が真面目じゃない編でした。つづいて
真面目編
1、外科系疾患に詳しくなれる
やっぱり教科書で見ているよりも実際に解剖を見ているので、疾患との結びつきは覚えやすいし、理解しやすい!
2、緊急時の対応が得意になれる
病棟ではあまり経験することのない気管挿管(呼吸の管を喉に入れるやつ)なんかは、ほぼ毎日医師の介助を行っているので、例えば半身麻酔の患者さんの急変や病棟やERに派遣されたときの急変はスムーズに介助することができます。
3、……
あれ、真面目編は2つしかありませんでした。
では逆に
手術室看護師で残念に思うこと……
1、患者さんとの関わりが少ない
半身麻酔、局所麻酔の患者さんもいますし、全身麻酔でも麻酔をかけるまではお話しすることができますが
それでも「その日限りの関係」
患者さんとの関係性を築いていくことや、患者さんの思いに寄り添って……みたいなことは、ほとんどできません☓☓☓
一部の「患者さんと関わりたくない看護師」にとっては“手術室のそういうところが良い!”みたいですが、私はやっぱり少し寂しく思っています。
患者さんに怒られたり、ご家族と揉めたり!なんてこともありませんが
「ありがとうね」という言葉をかけてもらえることもほぼありません。
2、基本的な看護技術が身につかない
看護師歴11年の私ですが
患者さんに採血をした回数は……10回あるかないか。点滴もほとんど経験がありません。
今後手術室を出て、病棟に配属されたときになんにもできないということに正直めちゃめちゃ焦ります。2年目N'sには確実にバカにされる(´;ω;`)
3、閉鎖的空間で悪口が多い
医師や他部署から異動してきた看護師から見ると「手術室は看護師間の悪口が多い」そうです。
一般病棟では交代勤務で毎日同じメンバーと顔を合わすことも少ないし、どちらかと言うと“あの患者さんに困った…”という話が多いようですが、
手術室では基本的に毎日同じメンバーと顔を合わせ、患者さんに困ることはないので、標的?が同僚や上司になりやすい。
一人前になるまでに時間がかかる部署なので異動が少なく、派閥みたいなものもできやすい。
20年以上手術室にいる看護師も存在するレベル……
もちろん尊敬できる凄い先輩も多いけど
「できなかった頃の自分」みたいなものを忘れてしまうんでしょうね、、、嫌な人多い(´;ω;`)
↑こんなことを書いてしまうと
ますます手術室の人気がなくなってしまいそうですが、たぶんどこの手術室もこういった傾向にあると思います。
まとめ
手術室看護師についてまとめてみました。
検索して出てくる一般的な「手術室看護師とは」より、かなりぶっちゃけて書いているので本当に迷っている人には参考になるかな…と思います★
「手術室看護師は人気がない」これは本当ですが
私は!「経験して良かったな」と心から思えています♪
ただ、新卒から行くのが正解なのかは今でも疑問(・_・;)
やっぱり基本的な看護技師や患者さんとの関わり方をしっかり身につけてからの方が良いような気もする。
ただ!手術室看護師としてしっかりやっていた先輩たちは病棟へ異動しても
病棟での看護をなんなく、こなしている印象があるし
手術室の師長さんは「この厳しいところで働けるならどこへ行っても大丈夫!手術室経験は武器になる!」と言っていました。
手術室配属になった方々が
楽しく働けることを祈っています★
・手術室看護師の役割
・麻酔について
・体位固定について
・解剖生理
については、しっかり自分で勉強しておいた方が良いです。
術式(手術の方法)については、病院によって違いがあるし、各手術室で術式マニュアルが作られていたりするので、テキストも参考にしつつ、マニュアルをもとに、実際に手術を見て学んだ方が良いと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました♪